蛍火オタクの日記

舞台、若手俳優さんについて

近況と娼年感想

 

こんにちは。まずは先日北川尚弥くんのバースデーイベントにお邪魔してきました。2部ゲストで来た推しがもーーーーかっこよくて頭抱えました。尚弥くんが終盤泣いちゃったんですけど推しがつられて泣いちゃう光景、世界一平和でした。そういえば山吹大楽でも尚弥くんが泣いたら急に泣き出してたなあ。最後捌ける時にドア間違えてたの可愛いの極み・・・。他オタクでも尚弥くんの魅力が伝わってくる素敵なイベントでした。(ハイタッチの時に「このあと凌ちゃん来るよ!」って言われてびっくりしました。バッグに着けてるキーホルダーまで見てるこの子天才?)

その他近況

①ツイで話していたチケ不正発券事件は解決しました。

②ラキステ無事推しCPエンド当たったのでまた観て来ます。

③二推し(仮)できたので全国氷帝も行きます。

 

 

そして今日5月18日、長野県でようやく映画「娼年」が公開され、見てきたのでざっくりと感想書きます。娼年は2001年第126回直木賞候補となった石田衣良さんの長編恋愛小説。今年三作目の爽年で完結したコールボーイシリーズの一作目です。原作は高校生の頃に読んだことがあったので今回の映画化は楽しみでした。2016年の舞台は関東氷帝と丸被りしていてそちら優先でしたし・・・以下ネタバレR18です

 

あらすじ

主人公の森中領は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、美しい女性がバーに現れた。女性の名前は御堂静香。「女なんてつまんないよ。」という領に静香は”情熱の試験”を受けさせる。それは、静香が手がける会員制ボーイズクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。入店を決意した領は、翌日から娼夫・リョウとして仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく。

 

 開始早々セックス。セリフもなくただ喘ぎ声と粘着質な水音から映画は始まる。領くんは静香さんにセックスは「手順の決まった面倒な運動」と答えたけど、まさにその通りで何にも伝わらないのが凄い。この作品の中で一番いやらしいなと思ったのはこのセックス。一方的で、ただ欲をぶつけるだけだからなのか。その次が一回目の情熱の試験かなと思いました。

  娼夫になってから出会う女性は様々な欲望があって、後になるほどマニアックなものも出てくるけどリョウくんが成長していくことでいやらしさは感じない。

「欲望の秘密はその人傷付いているところや、弱いところにひっそりと息づいている」

領くん自体母親を幼い頃に亡くしている為、年上(母に近い年齢)の女性に惹かれる。

特にこの言葉に当てはまるのは2人目の客であるイツキさん。幼い頃、思いを寄せていた幼馴染の男の子の前で失禁してしまった経験を持つ女性。当時は我慢していく過程でエクスタシーを感じていたけれど、その過去が彼女の「リョウくんに見てほしい」という欲望を生み出している。リョウくんはそんな彼女を受け入れ、足元に水溜まりを作り崩れ落ちた彼女の額にキスを落とす。原作でも彼女のエピソードがとても好きでした。「普通」のリョウくんがそれぞれの欲望を受け入れること、それがお客様には嬉しかったのかもしれない。アズマが「リョウくんは普通だから売れるよ」と言うのもとても重要な意味を感じる。

VIPの娼夫、アズマは痛みだけが肉体的快感になる「普通ではない」人間だ。リョウに対して「配線がこんがらがっている」と表現するのもものすごく好き!彼の客もまた彼を痛めつけることが好きな普通ではない人だからこそ、リョウくんの普通さに魅力を感じ「売れる」と断言できたんじゃないかと思います。ちなみにアズマ役はテニミュ2ndにも出演していた猪塚健太さん。程よく締まった肉体に走るケロイドが美しくてクラクラした。話を聞いてくれたお礼にリョウくんに奉仕をし「僕もアズマに何かしてあげたい」と言われ、興奮した表情で答える。

「小指を折ってほしいんだ!」

舞台だとアイスピックで胸を切り裂いていたらしいが、今回は原作に沿って小指を折った。グロ苦手な人にはここキツイと思うけど、手の甲とくっつくように折られた小指を見ながら喘ぐアズマが可愛らしかったです。原作だとここでアズマが射精した表現があった気がするんだけど何もなくてもう少しアズマの痛み=快感の描写をしてほしいなと思いました。私がアズマ好きだからかもしれないけど物足りないな、と。

 

年齢も欲望もバラバラの女性と出会い、成長していくリョウくん。彼は言葉ではなく、体を重ねることで女性たちの欲望に寄り添い、受け入れる。映画で描かれるセックスは性表現よりも本質的なコミュニケーションという言葉が当てはまる。それがこの作品がただのエッチな映画ではなくなっている魅力。

後半は劇場で見なきゃ伝わらない人間模様が描かれているので割愛します。文章にするには難しいです・・・

 

私たちが推しに対して「こうしてほしい」とか思うのも欲望の一種だし、誰にでもあって、それなのに同じものはひとつもなくて。街行く人も推しも、欲望を抱えて生きている。欲望に溢れたこの世界は汚いようで、ひどく美しい。

私の欲望もあなたの欲望も、普通に受け入れてもらえる日が来たら素敵ですね。